住宅ローンをようやく完済!実は完済後に手続きがあるって知ってた?
住宅ローンの返済は10年や20年、それ以上など長期にわたるので完済すると精神的に楽になりますが、完済後にも必要な手続きがあります。手続きを忘れてしまうと、資産運用や不動産売却の際に不都合が生じる可能性もあるので注意が必要です。ここでは完済後に必要な手続きとローン完済後に考えるべきことなどをご紹介します。
①:住宅ローンの完済後はどんな手続きが必要?
実際にはローン完済後にどのような必ずやるべき手続きについて見ていきましょう。
全額繰り上げ返済
ローンを計画通り月々返済する場合には必要ありませんが、残高を一括返済するには窓口手続きが必要です。繰り上げ返済の手続きは、数週間~1か月程度かかるので余裕をもって手続きを行いましょう。
抵当権の抹消
ローンの返済が滞った場合や貸付金の貸倒れが起きた場合のために、債権者である金融機関から依頼される抵当権ですが、自動的に外れるものではなく、抹消するにはローンの名義人である物件の所有者が手続きを行う必要があります。
抹消しないままにしておくと面倒なことになるため、抵当権は早めに抹消することをおすすめします。抵当権が残っている状態では物件の買い手が現れても、住宅ローンが完済されているか不安に感じてしまうことがあり、売却しにくいことがあります。
また、相続時に手間がかかったり、新たに融資を受けにくかったりすることもあるので手元に書類があるうちに手続きを進めることをおすすめします。
火災保険の質権消滅
住宅ローンの契約にあたり、建物にかけた火災保険などの保険金に対して金融機関が質権を設定している場合があります。質権がついたままだと、適用された保険金が金融機関に支払われます。ローンが完済されたら、金融機関から質権関連の書類が送られてきますので、質権抹消の手続きを進めてください。
②:手続きをしないとどうなる?手続きは早めに行いましょう!
ローン完済後に手続きをしないとどのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
差し押さえ
抵当権の登記を抹消していない場合、登記上はまだローンが完済されていない扱いになります。
そのため、たとえば自動車やカードのローンで支払い遅延が発生してしまうとまだ担保にできるとされてしまい、ローンを完済した住宅が差し押さえられることになり、競売にかけられてしまいます。不要な抵当権はなるべく早く抹消することをおすすめします。
新規ローン審査
抵当権の登記が抹消されるまではローンが未完済と判断されるため、新規のローン審査が通りにくくなります。ローンを完済したらすぐに抵当権を抹消して、ローンの支払いが他にないことを証明しましょう。
相続に時間がかかる
もし抵当権の登記を抹消しないまま所有者が亡くなった場合、相続者が抹消の手続きを行います。相続人が複数人いる場合には遺産の分割協議などを経て相続人が決まるまで、抹消手続きができないことになります。
売却しづらい
前所有者の抵当権が残ったままの場合、前所有者が金融トラブルなどを起こした際に、新しい所有者のものになっているはずの物件が競売にかけられる恐れがあります。そのため、抵当権が残ったままの物件には買い手がつきづらいです。
書類の再発行が面倒
ローンの完済後、金融機関から書類が送られてきます。抹消を先延ばしにしてしまい書類を紛失してしまうと再発行に手数料と手間がかかるので、書類が届いたらすぐに手続きをしましょう。
③:ローン完済後に考えるべきこととは
ローンを完済したら、今まで返済に充てていた資金がまるまる使えるため、無計画のままだと使い過ぎてしまうことがあります。定年後に再雇用で働いている間は定収入がありますので、返済に充てていた分を将来に備えるなどの選択肢があります。
教育資金
子どもが高校や大学などに進学する年代の場合、年に数百万円の教育資金が必要です。住宅ローンに充てていた資金を教育費にまわすことで、大きな出費が重なる時期を乗り越えられます。
家の修繕費
住宅ローンの平均完済期間は15年程度といわれているため、完済する頃には修繕が必要な箇所があるかもしれません。完済のタイミングで修繕が必要でない場合でもメンテナンス費用として貯蓄しておくのも一つの選択です。
老後資金
子どもがいる場合、住宅ローンと教育費への出費が重なることが多いため、老後のための資金を十分に準備できていない場合もあります。今後年金があまりもらえない可能性が高いといわれていることに加えて、平均寿命も延びているため将来に備えて資金をしっかり貯めておくのもおすすめです。
投資
投資に興味はあったけど、ローンの返済があるためなかなか手が出せなかった人も多いのではないでしょうか。投資にはリスクがつきものですが、知識をきちんと身につけたうえで少しずつ始めれば増えることもあります。
まとめ
ローンを完済したらまずは必要な手続きを終わらせておくことをおすすめします。家に関する手続きは必要書類が多く、専門用語も多いため面倒に感じがちですが、自分でもできる手続きがほとんどです。不安がある場合には司法書士に依頼して手続きすることも可能です。手続きを進めると同時に、これまで返済に充てていた資金を今後どのように活かすかについてもしっかりと考えておきましょう。貯蓄や投資、趣味など今までできなかったことに有効活用しましょう。